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川柳百鬼夜行 < 2 > [百鬼徒然箱]


<狸。。。たぬき>


たぬき爺スマホの画面に油膜張り





<窮奇。。。かまいたち>


くだを巻くビルの狭間のかまいたち





<網剪。。。あみきり>


あみきりも切れぬしがらみ腐れ縁





<狐火。。。きつねび>


帰り道きつねび連なる高速道





<絡新婦。。。じょろうぐも>


草食系ダイエット始めたじょろうぐも





<鼬。。。てん>


てんてんと灯した歳月顧みる





<叢原火。。。そうげんび>


そうげんび坊主の鬼火超ウザイ





<釣瓶火。。。つるべび>


つるべびがスライムに見えるゲーム脳





<ふらり火。。。ふらりび>


隠し持つ不安にふらりび舞い降りる





<姥が火。。。うばがび>


うばがびは火炎地獄で油売る




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川柳百鬼夜行 < 1 > [百鬼徒然箱]


<木魅。。。こだま>


こだまする森の声より人の欲





<天狗。。。てんぐ>


へし折ったてんぐの鼻からゴアテックス





<幽谷響。。。やまびこ>


帰らないやまびこ探しに富士登山





<山姥。。。やまうば>


やまうばも今はすっぴん二児の母





<山童。。。やまわろ>


イエティと言い張るやまわろ寸足らず





<犬神。。。いぬがみ>


白い犬欲しくてたまらぬ犬神家





<猫又。。。ねこまた>


ねこまたも短足垂れ耳外来種






<河童。。。かっぱ>


いつまでも河童は寿司屋で生き続け





<獺.。。。かわうそ>


かわうそはラッコじゃないよ化けるんです





<垢嘗。。。あかなめ>


あかなめも煎じて飲みたい爪の垢







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東京不可思議行 1 < 豪徳寺 > [百鬼徒然箱]


京王線下高井戸駅で東急世田谷線に乗り換える
久々の世田谷線だが、この2両編成の車両は
めっちゃキュート!


路面電車風だが都電荒川線よりお洒落だし
車体のカラーも青、緑、黄、ピンク、オレンジなどなど
とってもカラフルで楽しい!


天気は良いし、沿線は大きな区画の邸宅ばかりだし
いつまでもマッタリと乗っていたい気分だったが
宮の坂駅で下車、いざ豪徳寺へ!


駅から歩くこと5分のところに参道があり
松並木を進むと趣のある立派な山門が見えてきた


d_blog109.jpg


大渓山豪徳寺は1480年(文明12年)
世田谷城主の吉良政忠によって創建された曹洞宗の寺である


山門をくぐると左手には三重塔があり
正面の仏殿の前には人の背丈より大きい香炉が鎮座していて
外からは想像もつかないほど大きな寺だ


案内板が見当たらずキョロキョロしている僕を
仏殿の横の見事な枝垂れ桜が笑っていた


d_blog110.jpg


と、こんなことをしている場合ではない
目的はあくまでも「猫」
豪徳寺は招き猫の発祥地としても有名なのだ


豪徳寺は1590年(天正18年)
世田谷城が落城した際に一度焼失している
住職は焼け跡に小さな庵を建てて愛猫タマと暮らしていたが
生活は逼迫し愛猫相手に思わず愚痴ることもあった
「なあ、タマよ。いつもこんなに可愛がっているのだから
恩返しのひとつでもしてくれないか」


ある夏の日に奇跡は起きた
近江彦根藩主の井伊直孝が鷹狩りの途中
供を4,5人連れて庵の前を通りかかったところ
なんと、しきりと手招きをする猫がいる!
最初はシカトしようとしたのだが猫の様子があまりにも必死なので
不思議に思い庵の門をくぐった


住職が突然の大物の来訪に慌てて茶の支度などしているうちに
今まで晴れていた空がにわかにかき曇り凄まじい雷雨となった
直孝は猫のおかげで雷雨に遭わずにすんだと感謝し
その後この地を菩提所としして多くの田畑を寄進した


直孝がどんな猫好きだったかは分からないが
豪徳寺復興の立役者となったタマは死後も猫観音として祀られた
そして猫人形を作り「招福猫児(まねきねこ)」と名付けると
縁起物として世に広めたという


ということで仏殿のまわりをウロついているうちに
猫の絵馬(妙な言い方だがw)がたくさんかけられている場所を見つけた
どうやら、その奥が猫観音が祀られている招福殿らしい


お参りをしてからガラス戸越しに中を覗いたのだが
観音様のまわりに特大の招き猫が配置されているのが見えた
招福殿の脇には願が成就した招き猫達がたくさん置かれていが
これだけの数が集まると可愛いを通り越して、コワイ(笑)


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その後、本堂でお参りして猫の絵馬と招福猫児(極小)を購入した
招福猫児(小)と招福猫児(中)はすでに我家にいらっしゃるのだが
ガツガツしていない品の良い顔立ちに惹かれて、つい買っちまった;
タマちゃんの妖力かもしれない(笑)


ちなみに、井伊直孝が近江彦根藩主だったのが縁で
招福猫児は彦根市のゆるキャラ「ひこにゃん」のモデルとなったらしい


帰りは散策がてらお隣の山下駅(小田急線豪徳寺駅)まで歩く
途中、豪徳寺たまにゃん商店街の入り口にある
福室庵さん(創業昭和3年)で遅すぎる昼食をとった


注文したのは豪徳寺名物「招福そば」
おかめそばの豪華版という感じでなかなかの美味!
どんぶりも、箸おきも、薬味入れも
すべて猫という念の入れように感服したw


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悲しい出来事があり、まだまだ不安な日々が続きそうだが
ぺちゃんこになりそうな心に暖かい空気を入れてやることも必要だ
遠出をしなくても東京には心をふくよかにしてくれる不可思議が
まだまだたくさんある、そんなふうに思った一日だった


追記
桜田門の外で変なことになった井伊直弼さんをはじめとする
井伊家代々の墓所は(たぶん)地震の影響で立入禁止になっていた




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百鬼繚乱拾遺 < 岩手 > [百鬼徒然箱]


KURABOKKO ( 倉ぼっこ )



屋根裏部屋に積もった埃の上で


いつまでも消えないふたつの足跡は


忘れたはずの君の正しい温もりと


捨てたはずの僕の愚かな湿り気




**********




倉ぼっこは岩手県遠野地方に伝わる妖怪で
柳田國男の「遠野物語拾遺」では「御蔵ボッコ」と表記されている


背丈は幼児くらいで髪は身体を覆うほど長く
倉に住みついて異様な物音をたてたり子供のような声を発する
姿を現すことは非常に少ないが(まあ、当り前だがw)
倉にもみ殻を撒いておくと足跡が残ると言い伝えられている


人に危害を加えることはなく、それどころか
倉が火事になった時には荷物を運び出す手伝いをしたという
けっこう使える妖怪だw


しかし、コイツは座敷童子(ざしきわらし)の仲間だから
倉からいなくなると家運が傾いていくんだよなあ
せいぜいご機嫌を損ねないように知らんぷりしているのが得策だ


最後に、どうでもいい事だが
倉の中で作業している時にトイレに行きたくなったら
それは倉ぼっこが現れる前兆らしい


図書館や古本屋でもじもじしてしまうあの感覚かなあ?
だとしたら母校の近所の神保町あたりは
倉ぼっこだらけということになってしまうかもw




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百鬼繚乱拾遺 < 青森 > [百鬼徒然箱]


AMAZAKEBABAA ( 甘酒婆 )



好きと言えば嘘になる


嫌いと言っても嘘になる


好きの反対は無関心


嫌いの反対も無関心




**********




甘酒婆(あまざけばばあ)は老婆の姿をした妖怪


夜中に民家の戸をたたいては
「甘酒はござらんか?」と問いかけてくる


その時「ある」と答えても「ない」と答えても
答えた者はすべて病魔に侵されるという


なんという不条理で無慈悲な妖怪だろう!
魅入られたら最後、逃げられない


このババアを何事もなくやり過ごすには
戸口に杉の葉を吊るしておくと良いらしいが


一番の防衛対策は甘酒婆の話を聞かないこと!
あ、でもこれ読んじゃったら駄目だよねw
今更、インターホン越しに「芋焼酎ならありますが」
なんて誤魔化したって手遅れだw


妖怪の天敵は人の無関心
人の心から現れた妖怪は
人が心を閉じてしまえば
帰る場所をなくして消えていくしかない



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百鬼繚乱拾遺 < 北海道 > [百鬼徒然箱]


KORPOKKUR ( コロポックル )



蕗の葉を持った小人が窓辺にいたよ


そんな他愛ない話も今はいとおしい


君が散らかったままの部屋は広すぎて


立ち止った時間はタトゥのように消えない




**********




「コロポックル」はアイヌ語で「蕗の葉の下の人」
アイヌ以前に北海道に住みついていたとされる小人である


背丈は赤ん坊ほどで、すばしっこく、漁が上手で
屋根を蕗の葉でふいた竪穴に住んでいた


ビビリで人に姿を見せることを極端に嫌ったが
意外に情け深く友好的でアイヌの人々との親交もあったという


あるとき妄想が暴走してしまったアイヌの若者が
コロポックル見たさに戸口で待ち伏せをして
贈り物を差し入れようとした手を引っ張って部屋に引きずり込んだところ


これがなんとまあ美しい夫人の姿をしていて
(水木氏が描いたのはちっちゃいオジサンだがw)
手の甲には不思議な模様の刺青があった
(アイヌの夫人の刺青はこれにならったものらしい)


若気の至りを許せなかったコロポックルは
一族を引き連れて北海道の地を立ち去り
それ以降二度姿を見せなかったといわれている


妖怪関連の話ではお約束となっているが
コロポックルの伝説も地域によって大きな違いがあり
コロポックルは怠け者でアイヌ人が彼らに食べ物を与えていたとか
コロポックルの刺青はアイヌ人が施したものであるとか
言いたい放題であるw


ちなみにちょっとした含蓄話としては
迫害されたコロポックルが去り際に残した捨て台詞
「トカップチ(水は枯れろ、魚は腐れ)」が
「十勝」という地名の由来となった、なんてのがある



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のっぺらな午後 [百鬼徒然箱]


それは、土曜日の午後。
休日の時間が一番弛んだ頃のこと


ソファの上の幸せなうたた寝を台無しにしたのは
玄関の耳障りなチャイムの音だった


おそらく家内が対応するだろうと
ソファの上で寝たふりを決めこもうとしたところに
もう一度不躾なチャイムの音


仕方なくヨロヨロとキッチンに向かうと
キッチンの窓の向こうで人影が揺れていた
どうやら家内は外で洗濯物を干しているらしい


起きぬけの薄っすらと霞んだ意識の中で
キッチンの入り口にあるインターフォンの通話ボタンを押した


モニターには
長い黒髪の小柄な女が写っていた
必要以上に濃い前髪のせいなのか
極度の猫背のせいなのか
女の表情はほとんど読み取れなかった


「はい」
警戒の色を滲ませながら返事をする
「わたくし善人会からまいりました
本日はあなた様の幸せについて。。。」
脱力とともに思考回路が停止した
地味な見た目からは想像もつかないような
明朗な声で女の話は続くが
鼓膜の振動は心には到達しない


女の話が途切れた瞬間に
間髪を入れずに
ありったけの感じ良さをこめて
「申し訳ありませんが、今手が離せなくて」
「そうですか、こちらこそ申し訳ありませんでした
それでは小冊子を郵便受けに入れさせていただいて
よろしいでしょうか?」
「はい、構いませんよ」


紫色の紙片を郵便受けに入れると
「ありがとうございました」
言いながら女は初めて
インターフォンのカメラに向かって正対した


ボリュームのあり過ぎる前髪の下の女の顔は


顔は無かった


というか
目も鼻も口も無かった


ただ
のっぺりとした肌色が
微笑んでいる
ように見えた


一瞬
冷たい腕に背後から抱き締められたような気がした
指先から始まった震えが全身に広がっていく


慌てて駆け出し玄関のドアを開けたが
女の姿はなかった
家の前の道路に出て左右を注意深く見回したが
何処にも女の姿はなかった


おそるおそる郵便受けをのぞいたら
見慣れない紫色の大きな葉っぱが一枚
入っていた


しばらく動けなかった


意識が
絶え間なく押し寄せる青黒い荒波に
為す術もなく弄ばれていた


握り締めた拳の中は冷たい汗


おぼつかない足取りで家の裏手に回り込むと
家内はまだ洗濯物を干していた


「誰だったぁ?」
こちらに背を向けてバスタオルを干しながら
彼女はのんびりと問いかけてきた


とっさに返す言葉が探し出せず
「の、のっぺらぼう。。。だった」
やっとの思いで絞り出した


「あなた、さっきまでうたた寝してたでしょ
寝ぼけたんじゃないの?」
笑えないジョークに嫌々反応するように
彼女は嘲笑まじりに返してきた


「でも、ゼッタイ見たんだ」
舌が思うように回らずに
子供のような口調になってしまった


「こんな真っ昼間から?」
こちらに背を向けてバスタオルをパンパンと叩きながら
彼女はもう相手にしてくれなかった


説明のしようがない


この世に不思議なものなんて存在してはいけないのだ


身体の芯の震えがおさまらないまま
仕方なくすごすごと踵を返そうとしたら


「もしかしてさぁ」
と呼びとめられた


「その女って
こんな顔してたんじゃない?」


洗濯バサミを持ったまま振りかえった
家内のゆるい巻き毛の下の顔は


顔は無かった




**********



と、まあ
これが「再度の怪」といって
「のっぺらぼう」を語る時によく使われる怪談の手法w


「のっぺらぼう」はムジナやキツネやタヌキが化けたものとされているが
ただ人を驚かすだけで実害はなかったみたいだ


「のっぺらぼう」のお仲間は日本各地にたくさんいるようで
朱の盆・ずんべら坊・尻目・ぬっぺふほふ・お歯黒べったり、などなどの
豪華ラインナップであるww



**********



のっぺらぼう



クレンジングの新製品を
試しに使ってみたら
目も鼻も口もスッキリ落ちて
チョー焦った

でも
たいしたパーツじゃないし
描いたほうが可愛いから
まあ いいかなぁ

べつに
あたしだけじゃないみたいだしね

ホラ
あそこのウサミミの子

そそっ
鼻の下が垂れ下がった男に
巻きついてるあの子も

同じ穴のムジナだよ






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滑瓢って漢字かな? [百鬼徒然箱]


今や「ぬらりひょん」と言えば
妖怪の総大将であり最強のヒール


「ぬらりひょん」をそこまで出世させたのは
なんと言っても水木御大の「ゲゲゲの鬼太郎」だ


実写版の映画「ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌」では
ぬらりひょん役を名優緒形拳が演じて
そのイメージはさらに鮮明なものとなった
(この映画が緒形拳の遺作になったんだよなあ)


すっかりメジャーになった「ぬらりひょん」だが
出世する前はどうだったかと言うと
その名前のようにつかみどころのない
雑魚な妖怪だったようだ


いつの間にか家にあがり込んで
当り前のように茶を飲んでいたり
思いがけない所から急に出てきて
人の驚くのを喜んでいたり


ぬらりくらりと人をかわして
路地からひょんと現れる
まるで言葉遊びから生まれたような
人畜無害の妖怪だったらしい


江戸時代の作である佐脇嵩之の「百怪図巻」や
鳥山石燕の「画図百鬼夜行」には
後頭部が異様に膨らんだ老人姿の「ぬらりひょん」が描かれているが
解説文は書かれておらず伝承も確認されていない


そんな謎だらけの妖怪を現世に蘇らせたのは水木御大だ


姿形こそ佐脇嵩之や鳥山石燕の絵を下敷きにしてはいるが
濃厚なキャラを立ててその姿をありありと実体化したのは
水木御大のふくよかな想像力だ


描くことや書くことや語ることによって
妖怪は何度でも蘇る


描かれた時代や書かれた時代や語られた時代に
ふさわしい姿形で蘇る


どの解釈が正しいとか
どのイメージが合っているとか
そんなことはどうだっていいのかもしれない



***********



ぬらりひょん



つかみどころなんて
あったってしょうがない

そんなにやすやすと
つかまってやるものか

若い頃の苦労は
買わずに質に入れたし

長い物には
巻かれるふりして帯にした

どんなに虫が好かなくても
真っ正面から当たるなんて
青臭いドジは踏まない

風を知り尽くした柳のように
へらへらと言葉をかわしながら
いつまでもつき合ってやるぜ

今宵も
ぬらりんと
夜の街に這い出したら

宴の
ひょんな末席から
おやじギャグでも散布してみるか



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愛しの傘化け [百鬼徒然箱]


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百貨店の傘売場を物色していたら
とても好みの1本を見つけたので
衝動買いしてしまった


14本骨でちょっと大きめ
丸みを帯びたフォルムが美しい
色は表が黒で裏がシブい茶色
柄は使い古したような光沢の木製
そして
骨がカーボン製だから
一般的な8本骨の傘よりも軽い!


あまりにもお気に入りすぎて
コンビニなんかには差していけないし
風雨の強い日は可哀そうだから差さないw


やっぱり傘は好きだな


親骨の多い和傘は特に美しい


洋傘でも24本骨の傘があるらしいが
蛇の目傘 番傘 といった
和傘の美しさには勝てない


和傘の親骨は30~50本
竹の骨に和紙を貼りその上から柿渋や油等で
防水を施してあるわけだから
美しいけれどちょっと重いかもしれないな


江戸時代には親骨が60本もある
傘(唐傘)が出回っていたらしく
重すぎて上向きで開けなかったらしい


時代劇などで妙齢の女性が
蛇の目傘を粋に差して歩くシーンをよく見かけるが
当時は傘を差すのも
そんなに生易しいことではなかったのだろうな


ところで
(半ば強引な展開だがw)
和傘の妖怪といったら
「傘化け(からかさ小僧)」だ


水木御大の漫画などで
一つ目、一本足、下駄履きの姿が定着した
超メジャーな妖怪なのだが
実は「傘化け」の伝承はほとんど存在しない


絵だけが一人歩きした形の「傘化け」


室町時代の「百鬼夜行絵巻」にも描かれていて
傘の付喪神/つくもがみ(器物が古くなって化けたもの)
という説もあるが


未だにわけのわからない奴であるw



**********



傘化け



温かい雨を
冷たい雨を
受け流して

温かい手に
冷たい手に
握られるまま

汗ばむときめきや
凍えた溜息を
聞き逃しながら

閉じられたり
忘れられたりしながら
生きています

玄関の端の
傘立の中で
あなたを待っている

雨よりも
何よりも
あなたを待っている

わたしの
たったひとつの目は
奥二重です


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とんだろくろくび [百鬼徒然箱]


「ろくろくび」には2つのタイプがあるのを
ご存じだろうか?


伸びるタイプと
飛ぶタイプだ


首がにょろりと伸びて人なんかに絡みつくタイプは
わりとポピュラーだが
首がすっぽりと抜けて飛び回るタイプは
中国の妖怪 「飛頭蛮 ・ ひとうばん」 から由来した
という言い伝えもある


江戸時代
薄暗がりをふわふわと飛んでいく女の生首に
遭遇した武士が思わず刀を抜いて追いかけたところ
女の生首はとある民家にすうっと入っていった
民家の戸を叩くと生首とそっくりの顔をした女が出てきて
さっきまで刀をふりかざした武士に追いかけられる夢を見ていたと
恐ろしそうに話したという
(なんと鮮明な幽体離脱!)


また
空飛ぶ生首は耳を翼のようにはばたかせていたとか
(まるで薄気味悪いダンボだw)


はたまた
首の抜けた身体を移動してしまうと首は帰る場所を見失い
首の持ち主は死んでしまうとか
(地図の読めない首だw)


それと
「ろくろくび憑き」の人の首のまわりには
うっすらと輪のようなアザがあったというから
心配になった方は一度鏡で確認してみるといいかもw


首が伸びるタイプの話としては
自分の身体の一部が伸びたり縮んだりするように感じてしまう
「不思議の国のアリス症候群」という疾患があるらしいが
(メルヘンな呼び名ではあるがw)


科学的医学的見地から様々な考察がなされている「ろくろくび」は
つっこみどころ満載の楽しい妖怪だw


ところで
江戸時代の妖怪絵師である鳥山石燕は
「飛頭蛮」と題して首が伸びるタイプを書いているが
これは単純な勘違いなのか?


まあ
「飛頭蛮」のほうが字面がカッコイイので
自分も使っているのだが



**********



飛頭蛮 (ろくろくび)



必ず戻る
と言って

わたしの胸の
真ん中に
あなたが閉じた
ドアは

痛みを
縁取ったままで
再び開くことは
ないのでしょう








あなたを待ちすぎました

わたしの断ち切れぬ想いは
あの日の

あなたの後姿を
飲み込んだドアに
縋りついたっきりで

身体だけが
狂おしく軋みながら
いくつもの夜を
越えて来たのです






長く伸びすぎた
青白いうなじに
ほのかな色が灯ることは
あるのでしょうか



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